映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「ビニールハウス」

「ビニールハウス」2024年3月15日(金)シネマート新宿にて。午後12時20分より鑑賞(スクリーン1/C-14) ~社会のひずみが招く負の連鎖。新人監督による一級品のサスペンス 今週もあまり映画館に行けなかった。病院通いが続いたもので……。 ようやく金曜日…

「DOGMAN ドッグマン」

「DOGMAN ドッグマン」2024年3月9日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分より鑑賞(スクリーン1/C-5) ~帰ってきたリュック・ベッソン。孤独な男が犬たちとともに悪に染まる 今日は3月11日。東日本大震災が起きた日だ。あの日、私は家…

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」

「ネクスト・ゴール・ウィンズ」2024年3月6日(水)グランドシネマサンシャインにて。午後1時40分より鑑賞(スクリーン8/e-6) ~定番のスポーツ物語だが、期待通りにきっちり笑わせて感動させてくれる 最初に、すでに取り上げた映画についての話題を2つ…

「52ヘルツのクジラたち」

「52ヘルツのクジラたち」2024年3月5日(火)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時40分より鑑賞(スクリーン2/E-9) ~原作の魅力を引き立てる熟練の演出とキャストたちの演技 先週はある本の校正仕事を頼まれ、さらにカーリングの日本ミックス…

「落下の解剖学」

「落下の解剖学」2024年2月26日(月)Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下にて。午後1時より鑑賞(7F/D-11) ~雪の山荘で起きた転落事故。殺人の嫌疑をかけられた妻を巡るスリリングなサスペンス&人間ドラマ 2023年の第76回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムド…

「ソウルメイト」

「ソウルメイト」2024年2月23日(金)グランドシネマサンシャイン池袋にて。午後3時25分より鑑賞(スクリーン2/D-4) ~2人の女性の絆を描いたシスターフッド映画。みずみずしさと切なさと 先日、「風よ あらしよ 劇場版」を観た時に予告編が流れてきて、…

「瞳をとじて」

「瞳をとじて」2024年2月21日(水)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時10分より鑑賞(スクリーン6/D-10) ~エリセ監督、31年ぶりの長編映画は記憶と映画をめぐる物語 「ミツバチのささやき」(1973年)という映画をどこで観たのだろう? だい…

「風よ あらしよ 劇場版」

「風よ あらしよ 劇場版」2024年2月18日(日)新宿ピカデリーにて。午後1時50分より鑑賞(スクリーン7/E-11) ~自由を求める強い意志。女性解放運動家・伊藤野枝の生涯 書店で、村山由佳の「風よ あらしよ」という上下2巻の分厚い文庫本を最初に見かけた…

「一月の声に歓びを刻め」

「一月の声に歓びを刻め」2024年2月11日(日)テアトル新宿にて。午後1時40分より鑑賞(B-10) ~“罪”をめぐる3つの物語。三島監督の覚悟と俳優たちの壮絶な演技 「繕い裁つ人」「幼な子われらに生まれ」「ビブリア古書堂の事件手帖」「Red」など様々な作品…

「夜明けのすべて」

「夜明けのすべて」 2024年2月9日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時20分より鑑賞(スクリーン6/B-9)~弱い人たちへの共感と支え合いを絶妙の距離感で描く 上白石萌音と上白石萌歌の区別がつかない。いや、双子ではないから実際に見たら…

「コット、はじまりの夏」

「コット、はじまりの夏」2024年2月7日(水)新宿シネマカリテにて。午後1時45分より鑑賞(スクリーン1/A-10) ~生きる喜びを初めて知る少女。アイルランドから届いた珠玉の一作 仕事は終わらないし、日程を間違えていた仕事も新たに入ってきた。困った…

おわび?

「哀れなるものたち」の後は映画館に行っていない。なので、ブログもアップできない。 仕事が忙しいのは事実。1万5000字のインタビュー原稿を書かねばなならない。これがなかなか骨が折れるのだ。ほぼ連日パソコンに向かっているのだが、なかなか終わらない…

「哀れなるものたち」

「哀れなるものたち」2024年1月28日(日)ユナイテッドシネマ・としまえんにて。午後1時35分より鑑賞(スクリーン2/D-6) ~現代に通じるテーマを持った強烈な刺激のフランケンシュタイン的世界 ヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」は、独身者が…

「サン・セバスチャンへ、ようこそ」

「サン・セバスチャンへ、ようこそ」2024年1月25日(木)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時30分より鑑賞(スクリーン7/E-8) ~数々の映画のシーンが散りばめられたウディ・アレンの映画愛にあふれた作品 ご存知ウディ・アレン監督の2020年の…

「緑の夜」

「緑の夜」2024年1月19日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後2時25分より鑑賞(スクリーン1/E-12) ~男の支配から逃れて自由を得るための女たちの連帯と反乱 「X-MEN:フューチャー&パスト ローグ・エディション」などハリウッド作品…

「葬送のカーネーション」

「葬送のカーネーション」2024年1月17日(水)ヒューマントラストシネマ有楽町にて。午後6時40分(シアター2/D-6) ~妻の棺を運ぶ老人と孫娘のロードムービー。淡々とした中に深遠なテーマも横たわる ロードムービーといえば主人公たちが旅をするドラマ…

「カラオケ行こ!」

「カラオケ行こ!」2024年1月16日(火)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時25分より鑑賞(スクリーン7/E-8) ~ヘンなヤクザと合唱部長の中学生。爆笑のカラオケレッスン 山下敦弘監督の作品は、「バカの箱舟」「リアリズムの宿」など初期のダ…

「燈火(ネオン)は消えず」

「燈火(ネオン)は消えず」2024年1月12日(金)Bunkamuraル・シネマにて。午後1時40分より鑑賞(E-12) ~消えゆく香港のネオンと夫婦愛のドラマ 香港といえば「100万ドルの夜景」が有名。ずいぶん昔に私も香港を訪れて、夜景の美しさに感嘆したものだ。 …

「ファースト・カウ」

「ファースト・カウ」2024年1月8日(月・祝)新宿武蔵野館にて。午後3時50分より鑑賞(スクリーン2/C-4) ~2人の男の友情物語とアメリカの原風景を映し出す。ライカート監督の日本初公開作 ケリー・ライカート監督はアメリカのインディーズ映画界では有…

「彼方のうた」

「彼方のうた」2024年1月7日(日)シネマ・ロサにて。午前11時50分より鑑賞(シネマ・ロサ1にて/C-5) ~余計なものは何もない。ミニマムで想像力と好奇心を刺激する映画 杉田協士監督は独特の作風で知られる監督だ。いわゆるエンタメ映画のようなわかり…

「笑いのカイブツ」

「笑いのカイブツ」2024年1月6日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時35分より鑑賞(スクリーン7/D-9) ~岡山天音の怪演が光る。凄まじいエネルギーを放つ強烈な自伝映画 新年最初のレビューです。 大晦日は紅白歌合戦で、伊藤蘭のファン…

今年もよろしくお願いいたします。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。 さっそく新年第1回目の映画レビュー・・・といきたいところですが、残念ながら今年はまだ映画館に行っていません。昨日大学病院にて眼科の診察の帰りに、映画館に寄ろうと思ったものの、瞳孔を開く目薬を…

「PERFECT DAYS」

「PERFECT DAYS」2023年12月26日(火)kino cinema新宿にて。午後2時25分より鑑賞(THEATER1/D12) ~変わらない日常の中で起きる細やかな出来事と心の揺れ動き ちょっと体調が悪くて病院に行ったりなんだりで、1週間以上映画館に行けませんでした。皆さん…

「枯れ葉」

「枯れ葉」2023年12月18日(月)新宿シネマカリテにて。午後2時45分より鑑賞(スクリーン1/A-7) ~カウリスマキ監督が不穏な今の世界で「愛」に希望を託す ご存知フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督。「何だか最近は新作がないな」と思ったら引退…

「市子」

「市子」2023年12月13日(水)TOHOシネマズ シャンテにて。午後7時より鑑賞(スクリーン1/D-12) ~恋人の前から失踪した「社会的に存在しない」女性の壮絶な生き様 年の暮れにまた重たく、複雑な余韻を残す映画を観てしまった。「市子」である。 映画は…

「リアリティ」

「リアリティ」2023年12月8日(金)シネ・リーブル池袋にて。午後3時10分より鑑賞(シアター1/F-7) ~FBIの尋問の音声から再現したドラマ。その緊迫感に圧倒される 来年はアメリカ大統領選挙がある。もしかするとまた大統領になる可能性があるトランプ。…

「父は憶えている」

「父は憶えている」2023年12月4日(月)新宿武蔵野館にて。午後3時5分より鑑賞(スクリーン2/C-4) ~記憶を失い帰ってきた父。喜びと戸惑いの果てに人々が見たものは キルギスと言われてもピンとこない。正直、どこにあるのかもよくわからない。中央ア…

「女優は泣かない」

「女優は泣かない」2023年12月1日(金)池袋HUMAXシネマズにて。午後3時20分より鑑賞(シネマ2/E-9) ~がけっぷち女優とダメダメなディレクターの再起物語。ありがちな話なのにジンワリくる 伊藤万理華は不思議な俳優だ。童顔で年齢不詳という感じだが、…

「ほかげ」

「ほかげ」2023年11月26日(日)ユーロスペースにて。午後2時55分より鑑賞(スクリーン2/C-8) ~戦争の闇を直視せよ! 塚本晋也監督の強い信念が伝わる 戦争は嫌だ。絶対に戦争をしてはならない。その思いを改めて抱かせてくれた映画が塚本晋也監督の「…

「首」

「首」2023年11月24日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分より鑑賞(スクリーン5/F-14) ~北野武流「本能寺の変」は「アウトレイジ戦国版」。みんなワルでクセモノだらけ 「世界のキタノ」こと北野武監督の新作映画「首」。2017年の…