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映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「マネーモンスター」

マネーモンスター
TOHOシネマズ新宿にて。6月20日(月)午前11時45分より鑑賞。

このブログのタイトルは「映画貧乏日記」だ。いうまでもなくオレは貧乏だ。金には全然縁がない。だから、投資なんぞも全くやったことがない。たまに投資会社から電話勧誘があって、「いえいえ。ほんのお小遣いで投資できるんです」みたいなことを言うのだが、その「ほんのお小遣い」にも事欠いているのだ。ザマーミロ。

だいたい投資をするとしても、どこにどれだけ投資をするのだ? 専門知識など皆無だし、今さら必死こいて勉強するほどの気力もない。昔、ほんの一時期競馬をやっていたことがあるのだが、ひたすら競馬新聞やスポーツ新聞の予想に乗っていただけで、自分で予想など考えたことがない。競馬の予想には過去の成績だの、馬体重だの、血統だの、あれやこれやといろんな要素があるのだが、そういうのを調べるのが苦手なのである。

結局のところ、投資にしたって投資会社だのアナリストだのに乗っかるしかない。それで儲けたら問題はないが、損をしたらどうするのだ。自分で予想したなら自分に怒りをぶつければいいわけだが、他人の予想に乗っかりゃ他人に怒りが向くのではあるまいか。

そうである。今回取り上げる映画はまさにそういう映画なのだ。女優のジョディ・フォスターの監督作品『マネーモンスター』だ。

舞台となるのは、「マネーモンスター」というテレビ番組。人気司会者のリー・ゲイツジョージ・クルーニー)の軽快なトークと財テク情報で人気のテレビ番組「マネーモンスター」。その生放送中、拳銃を持った男が乱入し、リーを人質にとって番組をジャックする。カイル(ジャック・オコンネル)というその男は、リーが番組で推奨した投資会社の株に投資して全財産を失ったと主張し、損失の真相を明らかにしろと要求する。ディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)はリーに指示を出しながら、投資会社の情報を集め始めるのだが……。

とにかくこの映画、一瞬も緊張感が途切れない。基本は爆弾入りベストを着せられた人気司会者リーと、起爆装置を手に持った犯人カイルとのやりとり。口八丁のリーらしく(ジョージ・クルーニーがハマリ役)、番組を通じて視聴者に問題の株の購入を勧めるなど、あの手この手で危険を回避しようとする様子がスリリングに描かれる。

それだけでもハラハラものなのに、事件の一部始終は、犯人の要求によってそのままお茶の間に(は、死語か)中継されており、ジュリア・ロバーツ演じるディレクターのパティの指示で、次から次へと色々なことが行われる。問題の投資会社の美人広報担当役員(ホンマにお美しい)に事情を説明させたりして、犯行自体を一つの番組として成立させているのだ。

もちろん警察も動く。犯人のカイルの身元を突き止め、身重の奥さんを呼んでくるが、なんと彼女は説得するどころかカイルを罵倒してしまうというオマヌケさ。そして警察の最大の狙いはリーが着たベストの起爆装置を銃撃で壊し、その後カイルを射殺するという作戦。はたしてそれがうまくいくのか。

中盤以降の大きなハラハラの要因は、投資会社の株の暴落の裏にある真相を追求するドラマだ。美人広報担当役員が、経営者の行動に不審を抱いて謎に迫るとともに、ディレクターのパティも謎解きに挑む。それを緊迫感漂う映像とともに描くものだから、ほとんどがスタジオの中でのドラマなのに全く飽きることがないのである。

終盤になってようやく舞台は外へと移る。そこでリーとカイルの立場が逆転したような展開になるところが秀逸だ。ここもテレビカメラに中継させたりして、かなりのスリリンさ。

さてさて、この映画の背景には、現在の欠陥だらけの金融資本主義や、格差社会への疑問がある。しかし、それを真正面から取り上げるのではなく、あくまでもエンタティメントの素材として取り上げているところがミソ。しかも勧善懲悪的に描いてはいない。問題の投資会社の経営者が犯人に対してこう言うのだ。「お前だって儲けたらこんなことしなかったろう」。うーむ。犯人も含めて、みんな同じ穴のムジナってわけですなぁ。

脚本がよくできているし、スリリングな演出も見事。エンタメ作品として見応えは十分。ジョディ・フォスターはこれまでにも何本か監督しているけれど、今のところこの映画が最も面白いかもしれませんぞ。

今日の教訓 投資は怖い。素人は下手に手を出すな! まあ、投資する金もないんですけど。

●今日の映画代1100円(約1週間TOHOシネマズは会員サービスデー。なのに、その間1本しか観られなかったのだ。涙・・・。)