映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

頭脳警察ライブ&水族館劇場「揺れる大地」

少し前になるが、4月7日(日)に新宿・花園神社にて、今年で結成50周年の頭脳警察のライブが開催された。

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頭脳警察PANTAとTOSHIを中心に1969年に結成されたバンド。過激な歌詞の内容などから、ファーストアルバムは発売禁止、セカンドアルバムも発売一ヶ月後に発売中止となるなど様々なエピソードを残しつつ、日本のロック黎明期に大きな足跡を残した。1975年に一度解散したものの、その後何度かの再結成を経て、現在も現役バリバリで活動中だ。

今回のライブは、PANTAが音楽を担当した水族館劇場の芝居の公演が行われるテント小屋でのライブ。公演中の1日を借りてのライブだけに、舞台セットはそのままだ。いわゆるアングラ演劇の独特の雰囲気の中、客席も超満員。何でも定員約180人のところに、300人以上も詰め込んだらしい。客席には、俳優の高嶋政宏、虹郎、寛一郎はじめ顔の知られた方々もけっこういたようだ。

そして行われたライブ。メンバーはPANTA&TOSHIに加え、ギターの澤竜次(ex.黒猫チェルシー)、ベースの宮田岳(ex.黒猫チェルシー)、ドラムの素之助、そしてキーボードのおおくぼけい。過去にもイベントなどでチラリと演奏を披露してはいたものの、このメンバーでの本格的なライブはこれが初めてとなる。

実は、頭脳警察のメンバーとしては、ここしばらくはベテランたちが起用されることが多く、安定した演奏を見せていたのだが、50周年にあたって彼らではなく新たな若いメンバーを起用。それが結果的に大成功だった。エネルギッシュでパワーあふれる彼らの演奏が、頭脳警察本来のワイルドさを加速させるとともに、エレガンスな彩りも際立たせていた。ハードなナンバーも、スローなナンバーも、過去の名曲たちが少しも色あせることなく、むしろ新たな魅力を加えていた。

観客も大いに盛り上がって、終盤では座席が揺れる揺れる。なにせ仮設の桟敷席で、定員オーバーの状態だけに、「ヘタしたら崩れるのではないか」とマジで危惧したのだが、何とか無事に終わってホッとした。終盤では、水族館劇場の劇団員たちも舞台衣装で登場した。とにかく素晴らしい演奏だった。

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そして、昨日14日(日)は、その水族館劇場の舞台「揺れる大地」を観劇。仮設のテント小屋での芝居(いわゆるアングラ演劇)には昔から興味があったものの、一度も体験してこなかったので今回が初体験だ。

芝居の内容は、現代の日本やかつての満州を舞台にした時空を超えたドラマ。川島芳子など実在の人物と架空の人物が入り乱れる展開で、事前には難解な芝居を予想していたものの、実際にはエンターティメントとしても実に面白い芝居だった。

大量の水が降り注ぎ、役者が空に浮かび、ギャグも満載で2時間超があっという間。何せテント小屋という場所だけに、外の車の音なども聞こえてきて、聞き取れないセリフなどもあったのだが、それを上回る面白さだった。機会があればまた観たい!公演は16日まで。

構成もユニークで、冒頭約20分のプロローグは野外で演じられ、その後テント内に観客が入場しての芝居。テント内は撮影禁止だったが野外はOKだったので、その写真を載せておきます。

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