映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

伊藤蘭ファースト・ソロ・コンサート

6月11日(火)にTOKYO DOME CITY HALLで開催された伊藤蘭ファースト・ソロ・コンサート」に行ってきた。そう、あのキャンディーズ伊藤蘭である。

若い人にとっては伊藤蘭といえば、女優というイメージしかないかもしれないが(あるいは水谷豊の奥さん、趣里の母親)、その伊藤蘭は1970年代に超人気だった女性アイドルグループキャンディーズのメンバーだったのである。

キャンディーズのメンバーは、伊藤蘭(ランちゃん)、田中好子(スーちゃん)、藤村美樹(ミキちゃん)の3人。人気絶頂期の1977年、「普通の女の子に戻りたい」と突如解散を発表。翌年4月4日、後楽園球場でお別れコンサートを行い解散したのである。

その後、ミキちゃんは芸能界を引退(ただし1983年にソロ歌手として期間限定で復帰)。ランちゃんとスーちゃんは女優として復帰したが、スーちゃんは2011年に乳がんのため55歳で死去した。

などと書くと、まるでオレのことを熱狂的なファンのように思うかもしれないが、そんなことは全然ない。あれだけの人気グループゆえに、その存在もヒット曲も当然知ってはいたのだが、特別な思い入れがあるわけではなかった。

そんな中、伊藤蘭が41年ぶりに歌手活動再開」というニュースが飛び込んできた。41年ぶり? なんだか凄いぞ。というので、とりあえず「My Bouquet」というアルバムを聴いてみたら、これが素晴らしかったのである。全11曲の楽曲はどれもレベルが高いし、伊藤蘭の声も心に染み通ってくる。そして、聴いているうちに、近いうちにコンサートもあるという話を思い出し、思わずネットでチケットを買ってしまったのだ。

当日、会場に行くと早くも長蛇の列、当然ながら平均年齢は高そうだが、二千数百人が入る会場がほぼ埋まっているのだから立派なものである。きっと熱狂的なファンはこの日を待ちに待っていたのだろうなぁ。

そんな人々とはやや距離のあるオレではあるが、まもなくコンサートが始まるとすっかり入り込んでしまった。さすがに「ランちゃーん!」と掛け声をかけたりはしなかったが、手拍子をしながら最後まで楽しんでしまったのだ。

それはそうでしょう。バックを固めるバンドはキーボードの佐藤準をはじめ腕達者ばかり。ダンサーも登場するなど曲ごとに様々な演出が施され、大いに盛り上げてくれる。そして、生で聴いた伊藤蘭の歌声もなかなかのものであった。最初こそ緊張が伝わってきたが、ステージが進むにつれて、のびやかでしなやかな歌声が全開。

自分的にはやはり「My Bouquet」の曲たちが良かったのだが、会場が最高潮に達したのは終盤のキャンディーズ時代の曲。春一番」「その気にさせないで」「年下の男の子」「ハートのエースが出てこない」。ええ、もちろん全部知っていますとも。インタビュー等で歌うことをにおわせてはいたが、ここまでとは……。

全17曲、2時間弱のステージ。実のところ、チケット代はそれなりにしたのだが、無理してでも「行ってよかった!」とつくづく思う次第。それぐらい見応えがありました。どうやら、今後も音楽活動を続けるようなので、今後も注目したいところ。

それにしても伊藤蘭、64歳。若い! 少しは見習わなくては。

 

f:id:cinemaking:20190613212457j:plain