映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

2018-01-01から1年間の記事一覧

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」新宿武蔵野館にて。2018年9月28日(金)午後12時より鑑賞(スクリーン1/A-5)。 ~高校生たちのカンニング“ビジネス”を社会問題を背景にスリリングに見せる カンニングは一度もしたことがない。その必要がないほど…

「西北西」

「西北西」シアター・イメージフォーラムにて。2018年9月26日(水)午前11時より鑑賞(シアター2/D-6)。 ~様々な背景を持つ女たちによる「つながり」のドラマ 韓英恵は個人的にお気に入りの女優の1人である。10歳そこそこで鈴木清順監督の「ピストルオ…

「食べる女」

「食べる女」シネマサンシャイン池袋にて。2018年9月23日(日)午後2時より鑑賞(シネマ2/E-8)。 ~様々な女たちの恋愛事情を料理と絡めて描いた群像劇 「料理をする男子はモテる」とどこかに書いてあったが、それは本当なのか? 昔、けっこうマメに料理…

「純平、考え直せ」

「純平、考え直せ」シネ・リーブル池袋にて。2018年9月22日(土)午後3時10分より鑑賞(スクリーン1/G-9)。 ~SNSの声とリンクして深まるチンピラヤクザとOLの恋 ヤクザ者とカタギの女性との恋は、映画の世界では昔からよく描かれる素材だ。2人の前…

「寝ても覚めても」

「寝ても覚めても」ヒューマントラストシネマ有楽町にて。9月20日(木)午後7時より鑑賞(スクリーン1/D-12)。 ~同じ顔を持つ2人の男の間で揺れ動く女の謎だらけの恋愛 濱口竜介監督の前作「ハッピーアワー」には驚かされた。4人の女性の日常と友情を描…

「判決、ふたつの希望」

「判決、ふたつの希望」TOHOシネマズ シャンテにて。2018年9月17日(月)午前11時20分より鑑賞(スクリーン2/D-10)。 ~レバノンの複雑な社会問題を魅力たっぷりの法廷劇に昇華 レバノンといえば複雑な中東情勢を背景に、様々な混乱を繰り返してきた国・…

「愛しのアイリーン」

「愛しのアイリーン」シネクイントにて。2018年9月16日(日)午後1時より鑑賞(スクリーン1/F-6)。 ~愛のない結婚が招いた暴走と人間存在の複雑怪奇さ 山下敦弘監督の一連の作品をはじめ、ダメ人間を描いた映画にはつい惹かれてしまう。それはもちろん…

「1987、ある闘いの真実」

「1987、ある闘いの真実」シネマート新宿にて。2018年9月11日(火)午後12時20分より鑑賞(スクリーン1/E-14)。 ~韓国の歴史の転換点となった学生拷問死事件。社会派ドラマがエンタメ映画に 韓国映画は密度の濃い作品が多い。少し前に日本公開になった…

「500ページの夢の束」

「500ページの夢の束」新宿ピカデリーにて。2018年9月9日(日)午後12時45分より鑑賞(シアター5/C-9)。 ~「スター・トレック」への熱い思いで成長する自閉症の少女の旅 兄弟や姉妹が揃って俳優という例はよくあるが、揃ってバリバリと活躍しているケー…

「きみの鳥はうたえる」

「きみの鳥はうたえる」新宿武蔵野館にて。2018年9月8日(土)午後2時20分より鑑賞(スマリーン1/C-4)。 ~「終わりの予感」が漂う中、いとおしく切ない若者たちの夏 北海道・函館の映画館、函館シネマアイリスの開館20周年記念作品として製作された映画…

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

「SUNNY 強い気持ち・強い愛」ユナイテッド・シネマとしまえんにて。2018年9月1日(土)午後2時25分より鑑賞(スクリーン9/E-12)。 ~オリジナルの良さを生かして大根監督らしい色付けをしたリメイク版 2011年に製作され、日本でもヒットした韓国映画「…

夏フェスへGO!

ロック・ミュージックは映画と同様に、オレの人生にとって欠かせない要素だ。昔は自分でバンドもやっていたし、海外アーティストのコンサートにもよく足を運んだ。黎明期のフジロックやサマー・ソニックなどの夏フェスにも出かけた。 だが、今は金がない(て…

「菊とギロチン」東京最終上映

7月7日(土)から公開スタートした映画「菊とギロチン」。8月31日(金)についにテアトル新宿での最終上映を迎えた。当日は、平日の昼間にもかかわらずたくさんの観客が来場。そして上映終了後には大きな拍手が・・・。 その後の舞台挨拶では、木竜麻生、韓…

「若い女」

「若い女」ユーロスペースにて。2018年8月27日(月)午後12時15分より鑑賞(ユーロスペース2/D-9)。 ~面倒で痛い女がいつの間にか魅力的に見える不思議 「若い女」って身もふたもない邦題だなぁ~。しかし、中身はなかなかにユニークで面白い映画なのだ…

「検察側の罪人」

「検察側の罪人」ユナイテッド・シネマとしまえんにて。2018年8月25日(土)午後2時10分より鑑賞(スクリーン3/E-17)。 ~「正義とは何か」をめぐる木村拓哉VS二宮和也の対決 木村拓哉が特に嫌いなわけではない。だが、どうも彼が出演する映画やテレビ…

「英国総督 最後の家」

「英国総督 最後の家」 新宿武蔵野館にて。2018年8月23日(木)午前11時55分より鑑賞(スクリーン1/C-6)。 ~インド独立の混乱の中で生まれた多様なドラマ 2002年製作の「ベッカムに恋して」というイギリス映画をご存知だろうか? インド系イギリス人の…

「カメラを止めるな!」

「カメラを止めるな!」TOHOシネマズ日本橋にて。2018年8月21日(火)午後7時30分より鑑賞(スクリーン7/F-18)。 ~安っぽいゾンビ映画かと思ったら、意外な舞台裏のドラマへと転化 ついに観てしまったのだ。巷で話題の「カメラを止めるな!」(2018年 …

「タリーと私の秘密の時間」

「タリーと私の秘密の時間」TOHOシネマズシャンテにて。2018年8月20日(月)午後2時50分より鑑賞(スクリーン1/F-12)。 ~育児で疲弊する女性の変化を説得力を持って描く 子育てというのは大変なものに違いない。まして母親1人で周囲のサポートがない、…

「菊とギロチン」舞台挨拶

前回のブログで書いたが、8月15日(水)、テアトル新宿にて「菊とギロチン」6時30分~の上映後に舞台挨拶があったので行ってきた。 といっても、ただの舞台挨拶ではない。題して「女相撲一座VSギロチン」。この映画は、大正末期の女相撲の力士たちとアナー…

「菊とギロチン」まだまだ・・・

7月7日にテアトル新宿ほかで公開スタートした「菊とギロチン」。前にも書いたが、オレはこの映画にほんの少しだけ製作費をカンパさせてもらった。さらに、宣伝費を募るクラウド・ファンディングにも、これまたほんの少しだけ協力させてもらった。 もちろんそ…

「追想」

「追想」池袋シネマ・ロサにて。2018年8月10日(金)午後1時20分より鑑賞(CINEMA ROSA 2/D-9)。 ~新婚初夜の若い2人の姿が呼び覚ます「もしも、あの時・・・」 シアーシャ・ローナンは、今乗りに乗っている女優の一人といえるだろう。昨年公開の「ブル…

「スターリンの葬送狂騒曲」

「スターリンの葬送狂騒曲」シネクイントにて。2018年8月6日(月)午後12時20分より鑑賞(スクリーン1/D-6)。 ~ブラックな笑いの果てに背筋が寒くなるスターリンの跡目争い 何だか最近、世界のあちらこちらで独裁的な指導者が増えている気がする。日本…

「2重螺旋の恋人」

「2重螺旋の恋人」ヒューマントラストシネマ渋谷にて。2018年8月4日(土)午後1時35分より鑑賞(スクリーン2/F-10)。 ~フランソワ・オゾンが仕掛ける謎めいて怖い心理サスペンス フランソワ・オゾン監督は、サスペンスから人間ドラマまで幅広い作品を…

「ウインド・リバー」

「ウインド・リバー」シネマート新宿にて。2018年8月3日(金)午後2時25分より鑑賞(スクリーン1/E-12)。 ~少女怪死事件をめぐる緊迫の捜査から見えるアメリカの闇 辺境地帯には様々な闇がある。それを映画の中で暴き出してきた脚本家がテイラー・シェ…

「未来のミライ」

「未来のミライ」TOHOシネマズ日比谷にて。2018年7月25日(水)午後7時40分より鑑賞(スクリーン9/F-13)。 ~妹が生まれて戸惑う男の子が遭遇する不思議な出来事 初めてTOHOシネマズ日比谷に足を踏み入れた。そこは噂通りの素敵な空間・・・と言いたいと…

「最後のランナー」

「最後のランナー」有楽町スバル座にて。2018年7月25日(水)午後5時15分より鑑賞(自由席)。 ~名作「炎のランナー」のモデルのその後の波乱の人生 フリーランスの欠点の一つがオフィスがないことだ。勤め人なら用事と用事の間がぽっかり空いた時に、「い…

「悲しみに、こんにちは」

「悲しみに、こんにちは」ユーロスペースにて。2018年7月24日(火)午後2時20分より鑑賞(ユーロスペース2/B-9)。 ~人生の岐路に立たされた少女の不安と戸惑いをリアルに 今年の夏の暑さときたら、どうなっているのだろう。暑い。猛烈に暑い。もはや日…

「グッバイ・ゴダール!」

「グッバイ・ゴダール!」新宿ピカデリーにて。2018年7月21日(土)午後1時45分より鑑賞(シアター4/D-10)。 ~世界的映画監督の結婚生活を赤裸々にユーモアを込めて描く ジャン=リュック・ゴダールといえば、言わずと知れた世界的な映画監督。「勝手に…

「クレアのカメラ」

「クレアのカメラ」ヒューマントラストシネマ有楽町にて。2018年7月20日(金)午後1時40分より鑑賞(スクリーン1/E-11)。 ~カンヌで繰り広げられる韓国人男女の愛憎劇と謎のフランス人 「それから」「夜の浜辺でひとり」「正しい日 間違えた日」と続い…

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」新宿武蔵野館にて。2018年7月16日(月)午後12時55分より鑑賞(スクリーン1/C-6)。 ~コンプレックスを抱えた2人の少女の輝きと心の叫び 「青春映画鑑賞家」を名乗ろうかと思った時期がある。そのぐらい青春映画ば…