映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「いぬむこいり」再び

この間の日曜日に、新宿K’s cinemaで公開中の「いぬむこいり」を再度鑑賞してしまった。お金に余裕のないオレだが、以前にも面白かった映画を2度観るケースがなかったわけではない(「この世界の片隅に」は4回観たし・・・)。だが、上映時間4時間5分の映画をもう一度観るというのは、それなりに勇気のいることだった。それでも、やはり観に行くことにしたのは、「いぬむこいり」の何やら不思議な魅力にとりつかれてしまったからである。

実際に観てみたら、やっぱり面白かった。一度目の驚きこそないものの、それでも飽きることがなかった。こんな破天荒で、ごった煮スープのような、カオスに満ちた映画はめったにお目にかからない。片嶋一貴監督の頭の中はどうなっているのか。難しい理屈を並べようと思えば、いくらでも並べられる気がするが、とにかくシンプルに面白い映画なのである。2度観ると、最初に観た時とはセリフの持つ意味が微妙に違って感じられたりするのも、とても興味深いことだった。

それにしても上映時間4時間越えなどというのは、上映する劇場にしても面倒な話で(上映回数が少ないと、それだけ収入も減るわけだから)、たとえ1日1回の上映で2週間のみの公開とはいえ、全国の先陣を切って上映した新宿K’s cinemaは偉い。拍手!!

おまけに80名強の定員の劇場で、1日1回のみの上映とはいえ、平日でもほぼ満席に近い入りだというから驚いた。これって、ある種の快挙ではないだろうか。わかりやすかったり、ダイレクトに感情を刺激するような映画も、それはそれでよいのだが、こういう変な映画(もちろん褒め言葉です)も、絶対に日本映画には必要だと思う。4時間5分に臆せず、劇場へ足を運んだ観客も偉い。こちらにも拍手!!(ていうのは自画自賛か!?)

今後、「いぬむこいり」は26日までK’s cinemaで公開された後、全国のあちこちで順次公開になる模様なので、お近くの方はダマされたと思って足を運んでみてはいかがでしょうか。「本当にダマされたじゃないか!」と怒っても、当方一切責任は負いませぬが(笑)。

ちなみに、この日は上映終了後に、出演の武藤昭平とPANTAによるミニライブがあり。片嶋監督と主演の有森也実も登場。

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