映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

頭脳警察ライブ

9月21日(土)、東京・渋谷のMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて、頭脳警察のニューアルバム発売記念、結成50周年記念のライブが開催された。

1969年にPANTAとTOSHIを中心に結成された頭脳警察は、1972年にレコードデビューするものの、過激な歌詞などのためファーストアルバムは発売中止、セカンドアルバムは発売直後に自主回収となった。

ただし、さすがに当時のことをリアルタイムで知っているわけではない。かつてオレがバンドで成功を夢見ていた頃、バンド仲間から「伝説のバンドがある」という話を聞き、初めてその音を聴いて衝撃を受けたのだ。

その頃、頭脳警察はとっくに解散していて、PANTAはソロで活動していた。自然にライブ会場に足を運ぶようになり、アルバムを聴きまくった。そんな中、1990年に突如として頭脳警察は1年間の期間限定で復活し、アルバムを発売しライブを敢行した。ついに伝説のバンドを実体験することができたのだ。

それからしばらくして、頭脳警察は2007年に再度復活し、今度は期間限定で消滅することもなく断続的に活動を続けてきた。とはいえ今年は50周年である。昨年来、その活動はどんどん加速し、今年に入ると4月に新宿・花園神社の水族館劇場のテント小屋でのライブを行い、9月18日にはニューアルバム「乱破」を発売した。そして、迎えたのがこの日のライブだ。

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超満員の観客が見つめる中、登場した現在の頭脳警察のメンバーは、PANTAとTOSHIに加え、ギターの澤竜次(黒猫チェルシー)、ベースの宮田岳(黒猫チェルシー)、ドラムの樋口素之助という布陣。

ライブは2部構成。1部はニューアルバムからの曲を中心に。そして2部は事前に実施された投票によって決定したベスト10の曲を演奏するという内容。ニューアルバム同様に石垣秀基の尺八からスタートした「乱破者」を皮切りに、怒涛の演奏が繰り広げられた。

2部の途中からは観客も総立ちになり、バンドと一体になって会場が盛り上がった。アンコール前の「万物流転」では、観客が声を揃えてサビを歌う。観客たちの、そしてメンバーそれぞれの輝く表情を見れば、いかに素晴らしいライブだったかが一目瞭然のステージだった。

今年69歳のPANTAとTOSHI。だが、老成や安定という言葉は似合わない。親子ほどの年の差のある他の3人のメンバーとともに吐き出される音は、若々しさにあふれている。結成50周年にしてこの熱さ、躍動感、力強さ。まさに比類なきバンドであることを実感させられたステージだった。

アンコールの「コミック雑誌なんか要らない」を最後にこの日のライブは終焉を迎えた。だが、50周年記念のイベントの数々は来年2月まで続くとのこと。その模様はドキュメンタリー映画にすべく撮影が行われている。ちなみに、その製作費を募るクラウドファンディングにはオレも協力させてもらった。

この先の活動も楽しみである。

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