映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」

「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」
2023年12月2日(木)グランドシネマシネマサンシャインにて。午後3時55分より鑑賞(シアター2/e-5)

~天才ドライバーによる迫力のカーアクション。童顔のパク・ソダムにギャップ萌え!

 

何で映画を観ている最中はほとんど痛みを感じないのに、そうでない時は痛くなるのだろう?不思議でしょうがない。それならずっと映画を観ていればいいではないかと思うものの、まさかそういうわけにもいかないから困ったものだ。

この日観たのは「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」。韓国のカーアクション満載のエンタメ映画である。

天才的なドライビング・テクニックを持つウナ(パク・ソダム)は、ワケありの荷物を届ける特殊配送会社「特送」のドライバー。彼女はある日、海外へ逃亡を図る賭博ブローカーとその息子を港まで運ぶ依頼を受ける。ところが待ち合わせ場所に現れたのは、父親から300億ウォンが入った貸金庫の鍵を託された息子のソウォン(チョン・ヒョンジュン)だけだった。彼を見捨てることができず渋々車に乗せるウナ。しかし、そんな彼らを、鍵を狙う悪徳警官や冷酷な殺し屋、さらにはウナの過去を調査していた国家情報院などが執拗に追い詰める……。

この映画の最大の見ものは、言うまでもなくカーアクションである。序盤から天才ドライバー、ウナのテクニックが冴えわたる。無口で無表情な彼女が、普通の道路だけでなく釜山の狭い路地や坂道を舞台に、スリル満点のカーアクションを繰り広げる。

しかも、このカーアクション。やたらにド派手というわけでもない。見せ場十分なれど、抑制すべきところは抑制し、ぶっ飛び過ぎないように工夫されているのだ。このさじ加減が何とも心憎い。

脚本の巧みさも忘れてはならない。この手のアクション映画の過去の名作「ザ・ドライバー」「ドライヴ」「ベイビー・ドライバー」などを踏まえつつ、さらにはウナとソウォンとのほほえましい交流に「レオン」的な要素も加味している。あちらはオッサンの殺し屋と少女という組み合わせだったけれど。

敵の設定も抜かりがない。ウナを追うのはギャングかと思いきや、ギャングも真っ青の悪徳警官。そして、その手下のサイコパス、というよりは殺人マシーン。さらに、ウナが脱北者という設定から、その過去を調べる国家情報院も絡ませる。

ちなみに、ウナは脱北の際に家族を亡くし、孤独な影を背負っているが、そこに深入りせずに彼女の人物造型の一助に留めているあたりもよく考えられている。彼女と飼い猫の交流などもほほえましい。監督・脚本のパク・デミンは日本ではあまり知られていないが、なかなかの腕の持ち主だ。

それにしてもウナを演じたパク・ソダムがいい。「パラサイト 半地下の家族」の半地下の家族の長女役を演じた彼女だが、こういう役を演じるとは意外。だが、見事にはまっている。何より、彼女童顔なんだよなぁ~。それが無表情で、凄まじいアクションを披露するからギャップ萌えしてしまうのだ。

カーアクションだけでなく、激しいバトルも展開するなど大活躍。そのバトルが血まみれだというのが、いかにも韓国映画らしいところ。

そしてソウォンを演じたのは「パラサイト 半地下の家族」で社長一家の息子を演じたチョン・ヒョンジュン。この共演は意図したものなのだろうか。それもまた見どころの一つかもしれない。

他の配役もいい。悪徳警官役のソン・セビョク、特送のボス役のキム・ウィソン、国家情報院職員役のヨム・ヘランなどが、それぞれ個性的な演技を披露している。

終盤は壮絶なクライマックスの戦いから、意外なラストへ。そこでのパク・ソダムの笑顔にまたギャップ萌え。

細かいツッコミどころは色々ありそうだ。だが、観ているうちはまったくそんなことは気にならない。パク・ソダムの魅力と抜群のカーアクションで観応え十分の映画に仕上げている。韓国のこの手のエンタメ映画は文句なしに面白い!

◆「パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女」(SPECIAL DELIVERY)
(2022年 韓国)(上映時間1時間49分)
監督・脚本:パク・デミン
出演:パク・ソダム、ソン・セビョク、キム・ウィソン、チョン・ヒョンジュン、ヨン・ウジン、ヨム・ヘラン、ハン・ヒョンミン
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
ホームページ https://perfectdriver-movie.com/

 


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