映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「ベイビー・ブローカー」

「ベイビー・ブローカー」
2022年6月30日(木)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前11時35分より鑑賞(スクリーン9/D-11)

~是枝監督が豪華キャストで「家族とは何か?」を問うた韓国映画

個人的なことだが、6月27日の夜に父が亡くなった。ここ数か月はほぼ寝たきりだったから、仕方ないとは思うものの、もう少し長生きしてくれても良かったのに、という思いもある。いずれにしても感謝しかない。

となると、色々やらねばならないことが出てきて大変なのだが、それでも映画館に足は向かう。喪中に不謹慎かもしれないが、そういう性分だから仕方ない。鑑賞したのは「ベイビー・ブローカー」だ。

「ベイビー・ブローカー」は韓国映画。スタッフもほぼ韓国。キャストも韓国。ただし、監督は日本の是枝裕和監督だ。是枝監督の親子や家族を扱った過去作「そして父になる」「海街diary」「万引き家族」あたりと連なるテーマを持つ作品である。

第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、主演のソン・ガンホが韓国人俳優として初となる男優賞を受賞。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した。

冒頭は夜の雨の路地裏に女が現れるシーン。いかにも韓国映画らしいルックで幕を開ける。ソヨン(イ・ジウン)というその女は、「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」に赤ん坊を預けに来たのだ。その直後、2人の男が赤ん坊を連れだす。古いクリーニング店を営むサンヒョン(ソン・ガンホ)と、「赤ちゃんポスト」を運営する施設で働く若い男ドンス(カン・ドンウォン)。彼らは赤ん坊をこっそり連れ出しては、新しい親を見つけて謝礼を受け取る裏稼業「ベイビー・ブローカー」をしていた。

しかし、翌日、思い直して戻ってきたソヨンが現れる。サンヒョンとドンスは仕方なく赤ん坊を連れ出したことを白状し、「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」と言い訳をする。ソヨンは自分も同行させろと言い、サンヒョンとドンスは思いがけず赤ん坊の母親と一緒に養父母探しの旅に出るハメになる。

一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行を続けていた刑事のスジンペ・ドゥナ)とイ(イ・ジュヨン)は、現行犯逮捕をもくろみ彼らの後を追う。

というわけで、赤ん坊を捨てた母親とベイビー・ブローカーの2人の男、そして2人の刑事によるロード・ムービーである。

サンヒョンとドンスは金目当てでベイビー・ブローカーをしている。特にサンヒョンは借金まみれでヤバい状況。早々に赤ん坊を売り渡したいと思っている。だが、赤ん坊の実母ソヨンが加わったことで、彼の計画は狂いだす。

ドンスは自らも親に捨てられ養護施設で育った。だから、ベイビー・ブローカーの稼業には複雑な思いもある。旅の途中で施設を訪問したドンスは、子供たちの厳しい状況を再確認する。

そしてソヨンは赤ん坊を捨てたものの、どこかで母親としての思いを断ち切れずにいた。

この3人に、途中から思わぬ形で加わった1人の少年、そして赤ん坊の5人は、まるで疑似家族のように振る舞いながら旅を続ける。赤ん坊の売り渡し先はなかなか決まらない。そんな中で、さまざまな会話を重ね、感情が交錯するうちに、その思いは1つの方向に向かっていく。

そんな彼らを追うスジン刑事は、法律すれすれのおとり捜査を敢行するなど必死で彼らを犯罪者にしようとするが、やがて彼らと同じ思いにとらわれるようになる。

是枝監督の心理描写の巧みさは本作でも十分に発揮されている。主要な登場人物が背負った過去と現在がスクリーンに刻み付けられ、それぞれの心理変化が余すところ伝わってくる。例えば、愚直にベイビー・ブローカーを捕まえようとするスジン刑事にも、その行動の裏付けとなる過去があることがちゃんと見えてくるのだ。

ユーモアも全編に散りばめられている。赤ん坊の眉毛のエピソード、ヤラセの夫婦にスジン刑事が「演技指導」するシーンなど、笑える場面が満載だ。サンヒョンのオンボロ車にも笑わせられた。

そして名シーンもある。特に明かりを消したホテルで、ソヨンが一人ひとりに言葉をかけるシーンは胸にグッとくる。観覧車の中のソヨンとドンスのシーンなども素敵だ。

本作にはサスペンスの要素もある。殺人事件をめぐるあれこれだ。まあ、こちらは早くから犯人がわかってしまうのが難点だが、あくまでも主眼となるのは家族をめぐるドラマだから、さほど気にする必要はない。

本作から浮かび上がってくるのは、「本当の家族とは何か?」というテーマである。「万引き家族」に登場した疑似家族は、サンヒョンたち疑似家族とも重なる部分がある。また、親から捨てられた子供たちの存在を通して、「自分は生まれてきて良かったのか?」というテーマにも言及する。これは、「海街diary」でも描かれたテーマである。

その答えは、もちろん観客一人ひとりに委ねられるが、ラストは明るい未来を示唆して終わる。旅を通して変わった彼らの現在地がどこなのか。彼らの思いの到達点がどこにあるのかを明確に提示する。過去の是枝作品とはやや趣の違うエンディングで、観終わって清々しい気持ちになった。

赤ちゃんポスト自体は日本にもあるが、養子を裏取引(つまり人身売買)するというのは日本ではあまりピンとこない話。韓国を舞台にしたのはそのせいかもしれないが、何よりも韓国の素晴らしい俳優陣の演技が見られるのも本作の大きな魅力だ。相変わらず良い味を出しているソン・ガンホをはじめ、カン・ドンウォンペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨンらすべてのキャストが輝いている。特に「空気人形」以来の是枝作品となるペ・ドゥナが素晴らしい!

今回も期待にたがわぬ作品だった。韓国映画ではあるが、是枝監督らしい作品でもある。今年を代表する作品の1本であることは間違いない。

◆「ベイビー・ブローカー」(BROKER)
(2022年 韓国)(上映時間2時間10分)
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:ソン・ガンホカン・ドンウォンペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
ホームページ https://gaga.ne.jp/babybroker/


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「わたし達はおとな」

「わたし達はおとな」
2022年6月23日(木)新宿武蔵野館にて。午後1時15分より鑑賞(スクリーン1/C-4)

~あまりにリアルな20代の若者の恋愛模様

2018年製作の瀬々敬久監督「菊とギロチン」は、私も製作費をカンパしただけに(数万円ですが……)思い入れが深い映画だ。そこで一躍主役に抜擢されたのが木竜麻生。女相撲に飛び込んだヒロインを力強く演じていたが、その後も映画「鈴木家の嘘」やテレビドラマで活躍しているのはうれしい限り。

その木竜麻生が主演を務めた映画が、20代の若者の恋愛を描いた「わたし達はおとな」である。

大学でデザインを学ぶ優実(木竜麻生)は、知人の演劇サークルのチラシ作成をきっかけに直哉(藤原季節)と恋仲になり一緒に暮らしている。ある日、優実は自分が妊娠していることに気づくが、お腹の子の父親が直哉だと確信できずにいた。悩みながらもその事実を直哉に告げる優実。直哉は現実を受け入れようとするが、次第に2人の思いはすれ違っていく。

この映画の最大の特徴は半端ないリアリティにある。まるでアドリブのような自然な会話。画角の狭いスクリーンサイズ。手持ちカメラの揺れる映像。何から何までリアルさにあふれている。

早い話が描かれていること自体は他愛もないことだ。男女のあれこれ、痴話ゲンカなど、どこにでも転がっているだろう。それゆえ、ともすれば飽きてしまいがちなのだが、そうはならない。あまりに圧倒的なリアルさのせいで、つい見入ってしまうのだ。

ドラマは現在と過去が入り乱れる。優実の妊娠をきっかけに、恋人の直哉との仲が変化し始める。もしかしたら他人の子かもしれないと知った直哉は、演劇の道を諦めて父親になると決意を告げる。だが、その一方でDNA鑑定をしたいと言い始めて、優実に複雑な感情を抱かせる。

こうした現在進行形のドラマと並行して、過去の出来事が描かれる。演劇サークルのチラシ作成をきっかけにした2人の出会い、気恥ずかしいぐらいに微笑ましい2人の恋模様。しかし、直哉は元カノと暮らしていて……。

まあ、はっきり言って直哉はクズ野郎である。あれこれ言い訳しているが、元カノとの関係を清算しないままに優実とつきあっているのだ。その後も一緒に暮らしながら一度は別れている(これも元カノ絡みで)。それに対して優実も軽率と言えば軽率だ。直哉と別れた直後に、半ば無理やりとはいえ男と関係するのだから。

だがなぁ~、いるんだよなぁ~。ああいうのが、どこにでも。それがまたリアルなわけだ。

細かな描写もリアル。例えば優実の母が死んで、実家に戻って亡骸と対面しても、わざとらしく泣きわめいたりはしない。その脇で父親に淡々と近況報告をするのだ。悲しみの大きさが涙の量に比例するとは限らないのである。

終盤には圧巻の長回しシーンが何度か出てくる。2人が決定的にすれ違うシーンだ。怒鳴り合うお互いの言葉が空疎に空回りする。その関係性は、もはやどうにもならないところまで来ていることは自明の理である。

というわけで、エンディングも救いがない。エンドロール中とその後に、優実が料理を作り食べるシーンが映し出されるが、それが何とも意味深である。

私はあんな経験したことないですけどね。たぶん身につまされる人も多いんだろうなぁ。今の大学生って実際にあんな感じなのかもね。そのぐらいリアルな映画なのであった。

タイトルにあるように、2人をはじめ登場する大学生は一見「わたし達はおとな」である。だが、やっていることには子供っぽさもつきまとう。大人と子供の中間地点をフワフワ漂っているのが今の大学生かもしれない。

それにしても、出色のリアルさを醸し出した木竜麻生の演技が見事である。ここまで成長したかと思うと、まるで我が子を見るかのようにうれしいオジサンなのであった。そして、相手役の藤原季節もこれまた素晴らしい演技。

その演技を引き出した監督・脚本の加藤拓也の才能にも驚かされた。TV「きれいのくに」で第10回市川森一脚本賞を受賞したほか、自身が主宰する「劇団た組」でも注目を集める劇作家・演出家とのこと。これが長編監督デビュー作だが、今後が楽しみである。

若者の恋愛映画とはいえキラキラとした輝きがあるわけではない。むしろ見ると暗い気持ちになる。それでもリアルさは格別。隣の家のカップルを覗き見るかのような体験ができる映画である。

◆「わたし達はおとな」
(2022年 日本)(上映時間1時間49分)
監督・脚本:加藤拓也
出演:木竜麻生、藤原季節、菅野莉央、清水くるみ、森田想、桜田通、山崎紘菜片岡礼子石田ひかり佐戸井けん太
新宿武蔵野館ほかにて公開中


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「PLAN75」

「PLAN75」
2022年6月21日(火)グランドシネマサンシャインにて。午後1時15分より鑑賞(シアター10/e-11)

~背筋ゾクゾクものの恐ろしさ。高齢者を切り捨てる近未来

毎週火曜の午後はリハビリ……のはずだったのだが、本日はリハビリの担当者が病欠とのことで急遽中止に。代わりのスタッフはいないのか?と思ったりもするのだが、他にも患者はいるし、いきなり代理は務まらないのであろう。

てことで、いつもならリハビリの時間に池袋のグランドシネマサンシャインへ。鑑賞したのは第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で、カメラドールのスペシャルメンション(次点)に選ばれた「PLAN75」。

このタイトルに聞き覚えがあったのだが、調べてみたら是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の中の1本だった短編。それを早川千絵監督が自ら長編化して長編監督デビューを飾った。

舞台は近未来の日本。そこでは超高齢化問題の解決策として「プラン75」という制度が導入されていた。夫に先立たれ、一人で暮らす78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は、ホテルの客室清掃員として働いていたが、ある日突然、高齢を理由に解雇されてしまう。仕事をなくし、住む家も失いそうになった彼女は追い詰められ、「プラン75」の申請を検討し始める……。

冒頭はショッキングなシーンから始まる。高齢者を殺したらしい若者が、次に自ら猟銃で自殺する。こうした悲劇が相次いだため導入されたのが「プラン75」だ。これは満75歳から死の選択権を認める制度で、希望者には10万円が与えられる。希望しない者は関係ないというものの、社会は高齢者が生きにくい状況で、そのため「プラン75」の申請者はかなりの数に上る。

この映画に登場する日本は一見、今と何も変わっていない。つまり、現在と陸続きなのである。そんな中で、「プラン75」は、当初こそ様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れられてしまう。市役所では、まるで健康保険の手続きでもするかのように手続きが行われる。それが何とも恐ろしい。高齢者への風当たりが強くなる昨今、こうした制度が絵空事とは思えない。実に説得力のある設定なのだ。

主人公のミチもまたこの制度に翻弄される。当初は仲間の高齢者とともに生き生きと働いていた彼女が、突然職を失い、住む場所も追われそうになり、さらに友人が孤独死する現場を目撃して、心が揺れ動く。早川監督は、殊更に煽り立てることもなく、ミチの心情の変化を丁寧にきめ細かくすくい取っていく。

それが可能になったのは、もちろん倍賞千恵子が演じているからだ。特にセリフ以外の表情や佇まいで、ミチの心理を表現する演技が絶品。全編を通して有無を言わせぬ圧巻の演技だ。元が短編ということもあり、多少間延びしたところもないわけではないが、それを補ってあまりある彼女の演技である。

演出上のもう一つの大きな特徴は、説明がほとんどないこと。状況を説明するシーンをあえて省略して観客に解釈を委ねている。そのため、多少わかりにくいところもあるのだが、基本的には何がどうなっているのかを理解できるように配慮されている。

それにしても、恐ろしいこの社会。「PLAN75」に少しでも疑問を持つ者はいないのだろうか。と思ったら、3人の人物が浮上してくる。

1人は市役所の「プラン75」申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)。当初は自分の仕事を黙々とこなしているヒロムだが、疎遠だった叔父が申請者となったことから、制度に疑念を抱き始める。

もう1人は、死を選んだお年寄りにその日が来るまでサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)。彼女はミチと親しく接するうちに、彼女の心根に触れて、制度に疑問を持ち始める。

そして3人目はフィリピン人介護士のマリア(ステファニー・アリアン)。彼女は子供の手術費用を稼ぐため、高給の「PLAN75」の実で働くようになる。だが、その実態を知るうちに心が揺らぐ。

この3人が結託して反乱でも起こせば、ドラマとしては盛り上がるかもしれない。だが、そんなカタルシスはこの映画には訪れない。微かな希望の光は感じられるものの、明るい未来とまでは行かないのである。

この3人についても、早川監督の心理描写は冴えわたっている。特に瑤子の最後の登場シーンでの表情は、怒りとも悲しみともつかない複雑なもので、「PLAN75」の罪深さ、やるせなさを一層際立たせている。

ラストシーンでミチが歌う、というよりささやく「リンゴの木の下で」がいつまでも頭に残る。

以前、川和田恵麻監督の「マイスモールランド」の評で、「静かな怒りの炎」と書いたが、本作にも共通するものがある。この映画に明確なメッセージがあるわけではないが、高齢者や弱者をないがしろにする世の中への問題提起が確実にある。それは劇中で、公園のベンチにホームレスが横たわれないように細工をする場面があることからも明らかだろう。その問題提起を受け止めるのは我々一人ひとりなのだ。

いつ来ないとも限らない恐ろしい明日がここにある。今こそ見るべき一作だろう。

 

◆「PLAN75」
(2022年 日本・フランス・フィリピン・カタール)(上映時間1時間52分)
監督・脚本:早川千絵
出演:倍賞千恵子磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子串田和美
新宿ピカデリーほかにて公開中
ホームページ https://happinet-phantom.com/plan75/


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「はい、泳げません」

「はい、泳げません」
2022年6月15日(水)シネ・リーブル池袋にて。午後2時より鑑賞(シアター1/D-8)

~爆笑のラブコメかと思いきや、心に傷を抱えた男の苦悩と再生のドラマ

タイトルからしてコメディー調の映画「はい、泳げません」。ノンフィクション作家・高橋秀実の原作を渡辺謙作監督が映画化した。

渡辺監督の紹介として「舟を編む」の脚本を担当したことが強調されているが、監督としても「となり町戦争」「フレフレ少女」などを手がけている(たまに役者もやったりする)。商業映画の枠内とはいえ、かなり個性的な作風の監督である。

大学で哲学を教える小鳥遊雄司(長谷川博己)は水が大の苦手。水に顔をつけるだけでも恐怖を抱いてしまい、泳ぐことなどできなかった。ところが、ひょんな成り行きから水泳教室の女性コーチ、薄原静香(綾瀬はるか)に熱心に勧誘されて、初心者コースに入会する。賑やかな主婦たちにまじり、静香の丁寧な指導を受けながら、水に慣れるところから必死の思いで挑戦する雄司だったが……。

どこからどう見ても、雄司と静香によるラブコメになりそうな話だ。冒頭は確かにコメディータッチ。いかに水が嫌いかを力説する雄司と妻の美弥子(麻生久美子)との軽妙なやり取りが展開する。自分の水嫌いと美弥子の納豆嫌いは同列だと語る雄司。そこに納豆男と納豆女が登場して、美弥子に無理やり納豆を食べさせる。まさに爆笑コメディー的なオープニングである。

そして話は5年後に飛ぶ。雄司は水泳教室に顔を出す。別に入会を決めていたわけではないが、そこで出会った女性コーチの静香に強引に勧誘されて、初心者コースに入会するハメになる。水嫌いの雄司と陸よりも水中の方が生きやすいという静香。対照的な2人のラブストーリーが展開するかと思いきや……。ラブストーリーはあるにはあるが、それは雄司と別の女性の恋なのだ。

前半は雄司の水泳教室での悪戦苦闘ぶりが、面白おかしく描かれる。そこでいい味を出しているのが静香コーチ。そして、生徒である4人の主婦たちだ。演じているのは、伊佐山ひろ子広岡由里子占部房子上原奈美という存在感ある俳優たち。それぞれの個性が際立ちコメディーとしての魅力をアップさせている。

静香が雄司の水嫌いを克服させ、泳げるようにするために繰り出すあの手この手の作戦もユニーク。スポーツ映画とハウツー映画的な魅力も味わえる映画だ。

ただし、途中からはコメディータッチを残しつつも、シリアスなドラマに突き進んでいく。映画の割と早い段階で、雄司は美弥子と離婚して子供とも別々に暮らしていることが語られる。だが、実は彼の息子はすでに亡くなっていたのだ。その死をめぐるトラウマが、彼を更なる水嫌い、水泳嫌いにさせていたのである。

しかも、彼の記憶からはそのことが欠落していた。それが美弥子との離婚の原因ともなった。記憶は彼にとっての重要なキーワードであり、彼が哲学の教師であることから、そこには「認識」と「記憶」というテーマも登場する。さらに劇中では、「人はなぜ生きるのか」という哲学的テーマも提示される。それらのテーマが深く追求されることはないが、彼の人生に重ね合わせることで雄司の苦悩をより深くする効果を上げている。

ちなみに、静香コーチにもドラマがあり、彼女が「陸よりも水中の方が生きやすい」のは過去の交通事故が関係しているのだが、こちらは綾瀬はるかの大仰な芝居もあり、シリアスな話というよりもコメディーのネタとしての色合いが濃い。

さて、この映画にもラブストーリーがあると言ったが、それは雄司とシングルマザーの理容師・奈美恵(阿部純子)との恋だ。だが、そこでも彼の心の傷がうずく。雄司は、彼女の子供に自分の亡くした息子の影を見てしまうのだ。それほど彼の心の傷は深く、彼の人生に重くのしかかっているのである。

そんな雄司が水泳教室で、水の中で自分と向き合ううちに、様々な思いが蘇る。彼は喪失と罪悪感を再体験し、いっそう苦悩することになる。

渡辺監督は良い意味で期待を裏切る。エンタメ的なストレートな盛り上げは極力排して、雄司の心の動きを大胆不敵な映像で丹念に追う。

そのはてに希望と再生が待っているというのはよくあるパターンだが、そこでもヒネリ技が聞いている。過去のトラウマを引きずりあらゆることから逃げていた雄司。水の中でそれを乗り越えただけでなく、その後には元妻との悲しみの共有(当時はそれがなかった)と和解、そして奈美恵とのロマンスにも決着をつける。最後はもちろん水泳シーン。

長谷川博己綾瀬はるかは、コメディーとシリアスのバランスが絶妙な演技だった。麻生久美子阿部純子の二人の好演も光る。

面白おかしいラブコメを想像すると期待を裏切られることになる。だが、その分、過去の心の傷を抱えた男の人間ドラマとしては見応えがある。原作はエッセーらしいが、ここまで大胆にアレンジした渡辺監督に拍手!

 

◆「はい、泳げません」
(2022年 日本)(上映時間1時間53分)
監督・脚本:渡辺謙作
出演:長谷川博己綾瀬はるか伊佐山ひろ子広岡由里子占部房子上原奈美小林薫阿部純子麻生久美子
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
ホームページ http://hai-oyogemasen.jp/

 


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「オフィサー・アンド・スパイ」

「オフィサー・アンド・スパイ」
2022年6月8日(水)池袋HUMAXシネマズにて。午後2時55分より鑑賞(スクリーン3/F-12)

~歴史的冤罪事件をポランスキーがスリリングに描く

ここのところ日本映画ばかり観ていたから、そろそろ外国映画を観に行こうかな。でも、「トップガン」みたいに混雑している作品は、ちょっとなぁ……。

というので観に行ったのは「オフィサー・アンド・スパイ」。ちなみに私が観に行った回の観客は4~5人。おーい!巨匠ロマン・ポランスキー監督の映画だぞ。2019年の第76回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞した作品だぞ。こんな入りでいいのか?

それはともかく、本作は歴史物の映画。19世紀末にフランスで実際に起きた歴史的冤罪事件「ドレフュス事件」を扱った作品だ。何しろ「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」をはじめ、いろんな映画を撮っているポランスキー監督だけに、この映画もソツなく手際よくまとめている。歴史的な事実がもとになっているだけに、事の顛末はほぼわかっているのだが、それでも事件の経緯をスリリングに描いて、ミステリーとしての面白さも醸し出している。

1894年、フランス。陸軍大尉ドレフュス(ルイ・ガレル)はドイツに機密情報を流したとするスパイ容疑で終身刑を言い渡される。しかし、新たに諜報局長の座に就いたピカール中佐(ジャン・デュジャルダン)は、別の人物が真犯人ではないかと疑い、やがてドレフュスの無実を示す証拠を発見するのだが……。

映画の冒頭は、ドレフュス中尉が士官学校の校庭で多くの兵士や市民が見つめる中、軍刀をへし折られ勲章をむしり取られる屈辱のシーンで始まる。それでも彼は主張する。「私は無実だ」。

ドレフュスは孤島の刑務所に送られるが、そこに登場したのがピカール中佐である。新たに防諜組織のトップの座に就いた彼は、およそ防諜組織とは思えないデタラメな役所を見て、改革に着手する。その中で、ドレフュス事件の真犯人は別人ではないかという疑惑を抱く。

この事件の背景にはユダヤ人に対する差別がある。当時のフランスでは反ユダヤの機運が盛り上がっており、ユダヤ系のドレフュスに対しても世間は冷淡だった。ピカールもそれに影響されたのかユダヤ人を嫌悪する感情があった。だが、彼は何よりも正義と公正を旨としていた。その前では、ドレフュスがユダヤ系などというのはどうでもいい問題なのだった。

ピカールはやがてドレフュスの無実を示す証拠を発見する。それをもとに上官に対処を迫る。だが、スキャンダルを恐れた上層部はあの手この手で隠ぺいを図る。さらにピカールを左遷し、それでも危険と思ったのか彼を逮捕してしまうのだ。

本作では、ピカールを完全無欠のヒーローとして描いているわけではない。すでに述べたように彼には反ユダヤ感情がある。また、彼は他人の妻と不倫しており(彼女の結婚前からつきあっていたらしいが)、そのことが軍に知られて脅しのネタにされる。それでも、遮二無二、正義と公正を貫こうとするのだ。

その一方で国家権力は執拗に隠蔽工作を繰り返す。自分たちの過ちを認めず、組織の体面を重んじて事実を捻じ曲げようとするのだ。それは今の時代の組織も連想させる。日本でも官庁や企業の不正が横行している。歴史物のドラマでありながら、ポランスキー監督の視座は確実に現代を捉えているのだと思う。

そして、それと闘うのが完全無欠のヒーローでないピカールである。そこに現代に対するポランスキー監督のメッセージが込められているのではないか。不正のはびこる今の時代に、正義と公正を重んじることの大切さを改めて問うているような気がする。

その後、ピカールは外部にサポートを求める。作家エミール・ゾラや新聞発行人などである。そして、腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いに身を投じていく。

後半は、法廷劇を中心に展開する。ゾラの名誉棄損裁判、ドレフュスの再審などだ。そこでは息詰まる攻防が展開される。エンターティメントとしても観応え十分だ。さらに、決闘や殺人犯の追走劇(短いけど)なども用意され見どころはタップリ。

もちろん結末は歴史的事実の通りなのだが、エンドロールの前にはひとひねりあるシーンが挿入される。あれほど正義と公正を追求していたピカールだが……。何ともほろ苦さが漂うエンディングである。

ピカールに扮したのは「アーティスト」のジャン・デュジャルダン。そのなりきりぶりはかなりのもので、見事なハマリ役だった。出番は少ないながらもドレフュス役のルイ・ガレルも存在感があった。主役級のマチュー・アマルリックが脇役の筆跡鑑定人で出ているのが面白いところ。

とりたてて驚くようなところはない。斬新さも感じない。だが、さすがにポランスキー監督らしく安定の出来である。骨太でスリリングな歴史映画であり、歴史上の重大な事件を学ぶ意味でも、今の世の中を考える点でも価値のある作品だと思う。

 


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◆「オフィサー・アンド・スパイ」(J'ACCUSE)
(2019年 フランス・イタリア)(上映時間2時間11分)
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジャン・デュジャルダンルイ・ガレルエマニュエル・セニエ、グレゴリー・ガドゥボワ、エルヴェ・ピエール、メルヴィル・プポー、ディディエ・サンドル、エリック・リュフ、マチュー・アマルリック
*TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中
ホームページ https://longride.jp/officer-spy/

 

「夜を走る」

「夜を走る」
2022年6月2日(木)テアトル新宿にて。午後2時30分より鑑賞(B-9)

~スクラップ工場に勤める2人の男の運命。予測不能でまさに怪作!

トップガン マーヴェリック」も「シン・ゴジラ」も観に行かない私。いや、時間があれば観たいんですけどね。

というわけで、手術してから初めて「日本映画の今を写し出す邦画専門の映画館」(劇場HPより)テアトル新宿へ。観たのは佐向大監督の「夜を走る」。

佐向監督は大杉漣の遺作となった前作「教誨師」で注目された監督。実は、「教誨師」より前にこちらを映画化する話があり、大杉がプロデュースするはずだったとのこと。大杉の名は企画に残っている。

スクラップ工場に勤める2人の男のドラマだ。不器用で実直な秋本(足立智充)は上司からも取引先からもバカにされながら暮らしていた。一方、谷口(玉置玲央)は家族を持ちながら世の中をうまく渡っていた。それぞれが退屈で平穏な日常を送る秋本と谷口だったが、ある夜の出来事をきっかけに、2人の運命は大きく揺らぎはじめる……。

実直な男と世渡り上手な男。2人の男のバディームービーかと思いきや、そうではなかった。序盤はそれぞれの生き様が描かれる。秋本は上司や取引先の理不尽な要求にも、「仕方がない」と笑ってやり過ごす。一方の谷口は世渡り上手で、妻子がありながら不倫をするなど要領よく生きている。

そんな2人が勤めるのはスクラップ工場。轟音の中、鉄くずをスクラップしていく。その生々しい光景!

そこで退屈な毎日を送る2人の男たち。平静を装う秋本の心だが、その奥底には様々な感情が次第に鬱積していく。ゴルフばかりで仕事もしない社長をはじめ、周囲の人々も彼を苛立たせる。

このようにドラマは、社会の底辺でうごめく男たちの葛藤を描くかのようにして始まる。だが、途中からは想像もつかない方向に転がり出す。ある出来事をきっかけに、2人は思わぬ運命にさらされるのだ。

まあ、どんな出来事かはネタバレになるから詳しくは言わないが、死体遺棄が絡む事件とだけ言っておこう。その背景には溜まりに溜まった秋本の激情と、どんな場面でも狡猾に振る舞おうとする谷口の打算がある。

こうしてクライムサスペンスの趣を見せるドラマだが、その先に待っているのは予想もつかないシュールな展開だ。この世の不条理と人間の弱さを内包しつつカオスな世界へ突入。異様なシーンが次々に現出する。

秋本が足を踏み入れたのはカルト宗教のような団体。そこでリーダーは彼のすべてを許すという。ようやく居場所見つけた秋本。彼の罪の意識も薄れたかのように思えた。

一方の谷口は、あの夜の出来事に心乱れる。特に警察の捜査が入ってから彼の身辺は急を告げる。以前から悪かった妻との関係もますます険悪になる。

などと書いているが、はっきり言ってよくわからないところも多い。はたして何を意味しているのか。考えても結論の出ない場面が続く。

特に終盤は驚きの連続だ。例えば、秋本が突然披露するダンス。あれはいったい何なのだろう。救いを求める彼の心の表れなのだろうか。それとも自分は変わったというアピールなのか。

ただし、明確なことがある。そこには圧倒的な絶望感が横たわっている。それは観ていて息苦しくなるほどだ。

秋本と谷口は、一見、事件によって運命を狂わせられたかのように見える。だが、社会や周囲によってがんじがらめにされ、身動きが取れないという点では少しも変わっていないともいえる。劇中で「自分は変わっていないのに周囲が変わる……」という主旨のセリフがあるが、それは秋本と谷口の立場を示しているのかもしれない。

彼らは事件によって変わったのか。変わらなかったのか。彼らにも救いはもたらされるのか。希望はあるのか。いろいろなことを考えさせられた。

エンディングも印象的だ。あの夜の出来事をめぐって、予想もしない事実が突きつけられる。これもまた観客を混乱させ、様々なことを問いかけるシーンである。

俳優たちの演技にも注目。足立智充はいかにも良い人キャラの笑顔が逆に怖い。玉置玲央は「教誨師」の死刑囚役に続いて存在感ある演技を見せる。菜葉菜高橋努川瀬陽太宇野祥平ら脇も好演。特に宇野のカルト宗教のリーダーは、実際にいそうだよなぁ。ああいうの。松重豊の怖いヤクザも出色。

分かりにくいところが多いし誰にでも勧められる映画ではないが、社会や人間を規格外のスケールで描いた怪作なのは間違いない。こんなにエッヂのきいた映画を大杉漣がプロデュースする予定だったとは……。

◆「夜を走る」
(2021年 日本)(上映時間2時間5分)
監督・脚本:佐向大
出演:足立智充、玉置玲央、菜葉菜高橋努、玉井らん、坂巻有紗、山本ロザ、信太昌之、杉山ひこひこ、あらい汎、潟山セイキ、松永拓野、澤純子、磯村アメリ川瀬陽太宇野祥平松重豊
テアトル新宿ユーロスペースほかにて公開中
ホームページ http://mermaidfilms.co.jp/yoruwohashiru/


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「虐待の証明」

「虐待の証明」
2022年6月1日(水)Gyao!にて鑑賞

児童虐待をテーマにした壮絶な映画。ハン・ジミンの演技が絶品

平日は仕事とリハビリ、週末は実家で父親の介護と、なかなか映画館に行けない日々が続いている。そんな中、夕方に時間があったので久々にGyao!で旧作を鑑賞した。2018年の韓国映画「虐待の証明」だ。

ところで、この映画、観ているうちに以前にも鑑賞していたことに気がついた。はたしてどこで観たのか。たぶん映画館ではないな。「のむコレ3」(2019年11月15日~/東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)のみの上映だったようだから。

というわけで、色々と考えていたら東京国際映画祭で鑑賞したことを思い出した。2018年の第31回東京国際映画祭「アジアの未来」部門で「ミス・ペク」のタイトルで上映されたのだ。とはいえ、まともなレビューを書いた記憶がないので、あらためてここに書いておく。

児童虐待をめぐる実話をもとにした韓国映画だ。どこまでが実話でどこまでが創作かわからないが、それはそれは壮絶な映画である。

母親から虐待を受け施設で育ったペク・サンア(ハン・ジミン)は、心に傷を抱えたまま生きていた。レイプ事件に巻き込まれた際には、犯人の父親が有力者だったため、逆に彼女が刑に服すことになる。刑事ジャンソプ(イ・ヒジュン)はそんなサンアを常に気にかけるが、彼女は出所後も荒んだ生活を送る。ある日、サンアは夜の街で震えている少女ジウン(キム・シア)と出会う……。

この映画の何がすごいかと言えば、主演のハン・ジミンの演技である。母に虐待され捨てられ、その後も不幸な事件で刑務所に入ったサンア。世間を呪い、荒んだ暮らしをする。その描写が絶品だ。まるで不幸を全部背負ったような演技。あんな女がいたら絶対に近づきたくない。

それが自分と似た身の上の少女ジウンとの出会いで少しずつ変わっていく。ジウンは実父とその内縁の妻から手ひどい虐待を受けていたのだ。彼女を見て自分の過去の痛みに否応なく向き合い、同時にその頑なだった心が少しずつ溶けていく。その繊細な描写も素晴らしい。

そして終盤ではジウンを守るために、鬼気迫る姿となる。その凄まじい情念!ハン・ジミンはこの演技で第38回韓国映画評論家協会賞で主演女優賞を受賞したというが、それも納得の演技である。

彼女に手を焼きつつも、何とか手を差し伸べようとする刑事ジャンソプを演じたイ・ヒジュンをはじめ脇役たちの演技も見応えがある。特にジウンを演じたキム・シアの健気さが胸を打つ。子役が輝くのは韓国映画の真骨頂。

アップを多用して、スリリングさを高めた映像も出色。ノワール映画のような緊迫感が全編に漂っている。エンターティメントとしてもよくできた映画だ。

ジウンの不幸な境遇を知ったサンアだが、初めは空腹な彼女に食事をさせただけで家に帰す。しかし、そこに過去の自分を重ね合わせて、次第に本気で彼女を救い出そうとする。そのあたりのサンアとジウンのぎこちない交流も印象深い。

児童虐待を描く本作には、もちろんその場面も描かれている。極力抑え気味にしてはいるものの、そのおぞましさはショッキングだ。それを通して、憎悪と悲哀の連鎖を描く。同時に、児童虐待に対して甘い警察の対応など社会の問題点も暴き出す。このあたりの語り口は韓国映画のお手のものだろう。

やがてサンアは自分を捨てた母の真情を知る(だからといって虐待が免罪されるわけではないが)。

そして終盤に待ち受けている壮絶過ぎるバトル。ジウンは誘拐されたと訴える実父と内縁の妻。彼らからジウンを守るべく決死の覚悟で戦うサンア。その結末は……。

ラストの後日談がこれまた良い。ジャンソプ刑事に引き取られて、彼の家(ドジョウ汁店)で暮らすサンア。学校でも楽しく生活している。その前に現れたのは……。そのさりげない場面も見事だった。

難を言えば、冒頭のサンアの母親の死から彼女の過去が描かれるあたりが駆け足で、いまいちわかりにくいところだろうか。

いずれにしても、児童虐待という深刻なテーマを扱いつつ、エンターティメントとしてもよくできた面白い映画だと思う。イベントのみでの上映とはいえ、こういう映画がお蔵入りにならなかったのは幸いである。

 


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◆「虐待の証明」(MISS BAEK)
(2018年 韓国)(上映時間1時間38分)
監督・脚本:イ・ジウォン
出演:ハン・ジミン、キム・シア、イ・ヒジュン、クォン・ソヒョン、ペク・スジャン、チャン・ヨンナム
*動画配信サイトにて配信中