映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
2023年7月4日(火)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時15分より鑑賞(スクリーン3/E-16)

ハリソン・フォードが年齢を感じさせない大活躍。集大成にふさわしい映画

ハリソン・フォード扮する考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描くアドベンチャー映画「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」。15年ぶりの最新作にして、ハリソンが主演を務めるのはこれが最後となる。

もちろん私も過去4作はすべて観ている(全部劇場で観たわけじゃないけど)。それだけにワクワクする気持ちで映画館に出かけた。

考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの前にヘレナ(フィービー・ウォーラーブリッジ)という女性が現れ、インディが若き日に発見した謎の装置「運命のダイヤル」の話を始める。それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝だった。その運命のダイヤルを巡ってインディは、元ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)と争奪戦を繰り広げる……。

冒頭は、若き日のインディが第二次世界大戦中にナチスに潜入し、捕まってしまうところから始まる。何とか脱出し、同じく捕まった親友のバジルを助け、その後は列車上でナチスと闘う。最初から見せ場の連続だ。

序盤のこのパートがあるからこそ、その後の老いたインディの活躍が、単にド派手なだけでなく深みをもって感じられるのである。

続いて時代は飛んで、アポロ11号が月面に着陸した頃。老いたインディは息子を亡くし、妻とも離婚間近。そして仕事からも引退を余儀なくされる。そんな彼の前に現れたのが、バジルの娘のヘレナ。インディは彼女の名付け親だった。「運命のダイヤル」に強い関心を示すヘレナはインディにその話をする。そこから冒険の幕が開く。

まずは運命のダイヤルを狙う謎の集団(元ナチスの科学者フォラーが黒幕)に追われたインディは、月面着陸を祝うパレードの中、馬に乗って街を爆走する。地下鉄の駅や線路まで馬で疾走する。何とも意表を突いたアクションだ。

その危機をあわやのところで切り抜けたインディは、今度はモロッコに飛ぶ。そこではヘレナが運命のダイヤルを売りさばこうとしていた。それを止めるインディ。その過程でテディという少年と知り合う(少年が活躍するのもこのシリーズの持ち味)。

というわけで、その後はヘレナ、テディとともにフォラー率いる悪の集団と闘って、世界を股にかける。地中海では海に潜り、迫力の海中アクションを披露。潜水士でインディの親友レオナルド(アントニオ・バンデラス)も登場する。

運命のダイヤルの発明者とされるアルキメデスの棺を巡っては、洞窟探検を繰り広げる。いかにも冒険映画らしい魅力にあふれた展開だ。もちろんヘレナと悪役集団も登場し、大立ち回りを演じる。

その他にもカーチェイスなど、追いつ追われつのスリリングな場面が満載だ。基本的にインディは超人というわけではないので、危ない場面がたくさん登場する。しかし、そのたびごとにギリギリのところでピンチを切り抜ける。それが破格のスリルを生んでいく。

それにしても、ハリソン・フォード。80歳を超えるというのに凄いアクションだ。もちろんCGなどテクノロジーの力を借りているのだろうが、それにしてもまったく老いを感じさせない。ドラマの合間にアクションがあるのではなく、アクションの合間にドラマがあるといった感じの作品だけに、その凄さが際立つ。そして、皮肉の利いたユーモアも健在だ。

相手役のフィービー・ウォーラーブリッジも、ハリソン相手に一歩も引けを取らない演技を披露。冒険活劇のヒロイン役を嬉々として演じている。

日本でもおなじみのマッツ・ミケルセンのワルぶりもさすがである。

監督は「LOGAN ローガン」「フォードvsフェラーリ」のジェームズ・マンゴールド。過去4作でメガホンをとったスティーブン・スピルバーグは、ジョージ・ルーカスとともに製作総指揮を務めている。そのせいか、過去作の良さをきちんと踏まえた作品になっている。

インディの行く手に、人知を超えたオカルトやSF的出来事が待ち受けるのもこのシリーズの特徴。今回は何と紀元前の世界が現出する。スケールの大きさで言ったらシリーズ中随一だろう。そこでは飛行機に乗った空中戦が炸裂。そして、そこでインディはある選択を迫られる。彼の考古学者としての生き方を問われる究極の選択だ。

その後に訪れるラスト。「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」にも登場したジョン・リス=デイヴィスがカムバック。あまりにも美しいシーンを作り上げる。余韻の残る素晴らしいシーンである。過去作を知っている人なら、感慨もひとしおだろう。

あの懐かしいジョン・ウィリアムズによるテーマソングも健在。ハンソン・フォード版インディ・ジョーンズの最後を飾るにふさわしい作品だ。期待を上回る出来で、十分にその世界を堪能した。

◆「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」(INDIANA JONES AND THE DIAL OF DESTINY)
(2023年 アメリカ)(上映時間2時間34分)
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ハリソン・フォードフィービー・ウォーラー=ブリッジアントニオ・バンデラスジョン・リス=デイヴィストビー・ジョーンズボイド・ホルブルック、イーサン・イシドール、ショーネット・レネー・ウィルソン、マッツ・ミケルセン
*TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開中
ホームページ https://www.disney.co.jp/movie/indianajones-dial.html

 


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