映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「福田村事件」(仮)のこと

最近映画鑑賞の本数があまり伸びないのは、先日亡くなった父のことなどもあるが、心臓手術の前から飲んでいる利尿剤の影響も大きい。午前中は何度もトイレに行くことになるため、たとえ時間が空いても映画館に行けないのだ。

というわけで、次のレビューまでの場つなぎというわけでもないのだが、今日は映画「福田村事件」(仮)のことを簡単に記す。

森達也監督といえば、「A」「A2」「FAKE」「iー新聞記者ドキュメントー」などの作品でおなじみのドキュメンタリー監督だが、その森監督が初めて劇映画を撮ることになった。その題材として選んだのは、関東大震災直後に起きたある事件だった。

関東大震災直後、朝鮮人が武器を持って襲ってくる、井戸に毒を投げ入れた、放火して回っているといった噂を信じた人々が自警団を結成し、朝鮮人を虐殺したのは周知の事実。そして、そのデマは東京近郊にも飛び火し、関東大震災から5日後、千葉県東葛飾郡福田村で9人の日本人が殺されてしまう。彼らは香川から来た行商団だった。讃岐弁を朝鮮語と間違えられたのだ。9人の中には臨月の妊婦もいた。彼らは被差別部落の出身だった。

この知られざる「福田村事件」を、企画:荒井晴彦、製作:小林三四郎、プロデューサー:片嶋一貴井上淳一、脚本:佐伯俊道、そして森監督というそうそうたるメンバーが集結して映画化する。

それはもちろん、今の時代の空気を彼らが敏感に感じ取ったからに違いない。ネット上のヘイトスピーチの横行、民族差別、弱者への冷たい視線、自己責任論、そしてウクライナ情勢……。そんな中、ぜひともこの映画をつくりたかったという製作者たちの思いに私は強く共感する。

すでにロケハンや俳優のオーディションも行われ、あとはいよいよ撮影を待つのみ。

ではあるのだが、この種の映画にポンとお金を出す人がいるわけもなく、製作費をいかに集めるかが問題。そこで、製作者たちはクラウドファンディングで資金を集めることにした。

その結果、当初の目標の2,500万円を見事に達成。とはいえ、これでもまだ予算が足りない(現代ものでないだけにセットや衣装にもかなりお金がかかる)。そこで、現在、ネクストゴールとして4,000万円を目標に挑戦中だ。協力者にはいろいろと特典が用意されている。

もちろん私も協力した。少額ではあるが。何としてでも完成にこぎつけて欲しい。いや、我々の力で完成させようではないか。ついでにエキストラの募集とかしないのかな(笑)。

興味のある方は、ぜひ下記をクリックしてください(朝日新聞クラウドファンディングのサイトです)。

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