映画貧乏日記

映画貧乏からの脱出は可能なのだろうか。おそらく無理であろう。ならばその日々を日記として綴るのみである。

「ウーマン・トーキング 私たちの選択」

「ウーマン・トーキング 私たちの選択」2023年6月3日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時10分より鑑賞(スクリーン2/D-11) ~虐げられた女たちの選択は? 濃密で息詰まる会話劇 不当な圧力にさらされてきた女性たちが、声を上げ始めたの…

「怪物」

「怪物」2023年6月2日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時より鑑賞(スクリーン9/B-11) ~怪物はどこにでもいる。3つの視点で綴られる異形の者のドラマ 「怪物だ~れだ」という子供の声が印象的な予告編でおなじみの是枝裕和監督の新作映…

「私のプリンス・エドワード」

「私のプリンス・エドワード」2023年5月28日(日)新宿武蔵野館にて。午後3時より鑑賞(スクリーン1/B-11) ~お気楽ラブコメかと思いきや、女性の自立を描いた骨のあるドラマ 日曜の昼下がり。中途半端な時間の中、他に観る映画もなく選んだのが香港映画…

「波紋」

「波紋」2023年5月26日(金)池袋HUMAXシネマズにて。午後12時30分より鑑賞(シネマ4/G-9) ~社会問題にブラックな笑いも盛り込んだ女性の自己解放のドラマ かつては「かもめ食堂」「めがね」など癒やし系映画の監督のように思われていた(私が思ってい…

「あの子の夢を水に流して」

「あの子の夢を水に流して」2023年5月24日(水)ユーロスペースにて。午後7時より鑑賞(スクリーン1/C-9) ~我が子を亡くした女性と生と死が循環する川の物語 本当は映画を作りたい。だが、そんなお金もコネもない。だから、クラウドファンディングを実…

「最後まで行く」

「最後まで行く」2023年5月20日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時20分より鑑賞(スクリーン7/D-9) ~刑事VS監察官の迫力のバトル。息をもつかせぬ韓国映画のリメイク この前の日曜の21日。渋谷の入管法改悪反対デモに参加してきた。参…

「同じ下着を着るふたりの女」

「同じ下着を着るふたりの女」2023年5月19日(金)シアター・イメージフォーラムにて。午後1時30分より鑑賞(シアター2/G-6) ~愛せないし、憎みきれない。母娘の抜き差しならない関係 母と娘の関係には微妙なものがあるようだ。最近の日本映画では、井上…

「あの子の夢を水に流して」&「福田村事件」

アップする映画のストックがなくなってしまった。 だからというわけでもないが、これから公開になる2本の映画の紹介を。 1本目は明日5月20日(土)からユーロスペースで公開になる「あの子の夢を水に流して」。豪雨で被災した熊本県の球磨川を舞台に描いた生…

「TAR/ター」

「TAR/ター」2023年5月13日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午前11時20分より鑑賞(スクリーン9/D-11) ~天才指揮者の栄光と転落。ケイト・ブランシェットのなりきりぶりがスゴイ 中学生の頃に熱心にクラシック音楽を聴いていた時期があるの…

「銀河鉄道の父」

「銀河鉄道の父」2023年5月8日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時10分より鑑賞(スクリーン9/D-11) ~放蕩息子の宮沢賢治を見放さない父の愛は偉大なり 父母の愛はとてつもなく大きい。そんな当たり前のことを再確認させてくれる映画が…

「EO イーオー」

「EO イーオー」2023年5月6日(土)新宿シネマカリテにて。午後2時より鑑賞(スクリーン1/A-11) ~こんな映像観たことない!? ロバを主人公にした驚きの映画 カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなどの国際映画祭で受賞歴を持つポーランドのイエジー・スコリ…

「セールス・ガールの考現学」

「セールス・ガールの考現学」2023年5月5日(金)新宿シネマカリテにて。午後12時45分より鑑賞(スクリーン2/A-7) ~モンゴル映画の常識を覆すポップでオシャレな青春成長ドラマ モンゴル映画と言ったら大草原! そして遊牧民! そんな通り一遍の固定概…

「アダマン号に乗って」

「アダマン号に乗って」2023年5月2日(火)グランドシネマサンシャイン池袋にて。午後2時15分より鑑賞(シアター1/d-9) ~人間性あふれる船の中で患者たちを見つめる優しい目。 ふだんはあまり観ないドキュメンタリー映画。しかし、ベルリン国際映画祭で…

「せかいのおきく」

「せかいのおきく」2023年4月29日(土)テアトル新宿にて。午後4時30分より鑑賞(A-9) ~江戸庶民の日常と若者の恋を美しいモノクロ映像で綴る 「どついたるねん」「顔」「北のカナリアたち」など代表作を挙げればきりがないベテランの阪本順治監督。当た…

「午前4時にパリの夜は明ける」

「午前4時にパリの夜は明ける」2023年4月27日(木)新宿武蔵野館にて。午後2時50分より鑑賞(スクリーン3/C-6) ~シャルロット・ゲンズブール主演。家族の何気ない日常と成長を温かな視線で描く シャルロット・ゲンズブールといえば、ご存知セルジュ・…

「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」

「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」2023年4月25日(火)新宿武蔵野館にて。午後2時35分より鑑賞(スクリーン1/C-5) ~クソッたれな世の中で、迷える若者たちはぬいぐるみと話す 「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」というユニークなタイトルの映画…

「ヴィレッジ」

「ヴィレッジ」2023年4月24日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時10分より鑑賞(スクリーン6/D-8) ~名プロデューサー河村光庸氏最後の作品は、日本の暗部に焦点を当てた娯楽作 映画製作会社スターサンズを率いる河村光庸氏が亡くなった…

「高速道路家族」

「高速道路家族」2023年4月21日(金)シネマ・ロサにて。午後4時10分より鑑賞(シネマ・ロサ2/D-10) ~ホームレス一家の波乱の運命。前半のコメディータッチから衝撃のラストへ 相続税の申告を税理士に頼まずに一人でやるという暴挙に出た結果、とんでも…

「聖地には蜘蛛が巣を張る」

「聖地には蜘蛛が巣を張る」2023年4月16日(日)新宿シネマカリテにて。午後2時50分より鑑賞(スクリーン1/A-6) ~娼婦連続殺人事件を通して描くイラン社会の暗部 「ボーダー 二つの世界」(2018年)を鑑賞した方はいるだろうか。醜い容貌ゆえに孤独な人…

「ザ・ホエール」

「ザ・ホエール」2023年4月10日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時20分より鑑賞(スクリーン2/D-9) ~死にゆく巨体の男の愛と悲しみとこの世でやり残したこと 「レスラー」でミッキー・ロークを、「ブラック・スワン」でナタリー・ポー…

「AIR/エア」

「AIR/エア」2023年4月9日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時より鑑賞(スクリーン5/A-15) ~ノリノリの雰囲気の中で小気味よく描かれるエア・ジョーダンの誕生秘話 スポーツシューズには全く詳しくないのだが、そんな私でも知っている…

「生きる LIVING」

「生きる LIVING」2023年4月6日(木)TOHOシネマズ 池袋にて。午後1時20分より鑑賞(スクリーン5/D-9) ~黒澤明の名作のリメイクは上質で品格あるイギリス映画 黒澤明の名作「生きる」を観たのはいつ頃だろうか。記憶が定かではない。いや、まさか観てい…

「GOLDFISH」

「GOLDFISH」2023年4月1日(土)シネマ・ロサにて。午後1時20分より鑑賞(シネマ・ロサ1/C-4) ~あのキラキラした青春は帰ってくるのか!?パンクロックバンドの再結成をめぐるドラマ 昔、ロックバンドでベースを弾いていた。ライブハウスにも出演してい…

「トリとロキタ」

「トリとロキタ」2023年3月31日(金)新宿武蔵野館にて。午後2時より鑑賞(スクリーン1/D-9) ~アフリカから来た偽の姉弟の受難。ダルデンヌ兄弟の職人技が冴えわたる ケン・ローチなどとともに、社会問題に焦点を当てた作品を監督することで知られるベ…

「赦し」

「赦し」2023年3月29日(水)ユーロスペースにて。午後12時45分より鑑賞(ユーロスペース2/D-9) ~被害者遺族は加害者を赦せるのか。重いテーマを投げかける法廷劇 「赦し」のポスタービジュアルは強烈だ。心がざわついてしまう。1人の女性がこちらを振…

「ロストケア」

「ロストケア」2023年3月27日(月)シネ・リーブル池袋にて。午前11時25分(シアター2/F-4) ~穴の開いた高齢化社会に鋭い問題提起。松山ケンイチと長澤まさみの対決が見もの エンタメ映画に社会派の要素を盛り込むと言えば、韓国映画お得意のパターンだ…

「コンペティション」

「コンペティション」2023年3月23日(木)新宿シネマカリテにて。午後3時15分より鑑賞(スクリーン1/A-9) ~暴走しまくりの監督と2人の俳優。皮肉のきいたシュールな笑いがたっぷり 映画界の内幕を描いた映画はたくさんある。だが、ここまで強烈な映画は…

「メグレと若い女の死」

「メグレと若い女の死」2023年3月22日(水)新宿武蔵野館にて。午後12時より鑑賞(スクリーン1/C-7) ~ドパルデューが演じる老境のメグレ警視。人間ドラマに見応えあり 日本でもおなじみのメグレ警視。ベルギーの小説家ジョルジュ・シムノンの推理小説の…

「零落」

「零落」2023年3月21日(火)テアトル新宿にて。午後1時20分より鑑賞(A-11) ~次回作が描けない漫画家。クズ男の苦悩と苛立ちに何となく共感も…… 俳優としておなじみの竹中直人だが、映画監督としても「無能の人」「東京日和」などの作品がある。「零落」…

「オットーという男」

「オットーという男」2023年3月19日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時40分より鑑賞(スクリーン6/B-7) ~ヘンクツな老人が隣人一家との交流で変わっていく姿を絶妙のブレンドで 「オットーという男」の予告編を観た時に、「はて? どこ…